金買取価格にリスクはある?下落時の原因と損しないための対処法

近年、金買取の需要が高まる中、価格の変動リスクや今後の相場動向に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。2000年以降、金の価値は大きく上昇してきましたが、供給量の増加や米ドルの価値上昇、世界情勢や経済の安定など、下落要因も存在します。

本記事では、金買取価格のリスクや価格変動の要因・今後の金価格予想・下落時の賢い対処法まで詳しく解説します。金の買取価格に興味のある方はぜひ参考にしてください。

金買取価格のリスクとは

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金を売る際の最大のリスクは、市場価格の変動に左右される点です。金は世界中で取引される投資商品であり、国際情勢や経済動向の影響を受けやすいため、価格は日々上下します。海外の金融政策の発表や株式市場の動き、為替レートの変化などが、金の価値に直結することもあります。そのため、売却のタイミングを誤ると、思っていたより低い価格で手放すことになりかねません。

さらに、金の需要と供給のバランスや、国内外の経済指標・政策の動向・金市場のニュースも価格に影響を与える要素です。こうしたリスクを理解しておくことで、売却前に適切な準備を整え、安心して取引に臨めます。次の見出しでは、実際に金の買取価格が下がる具体的な原因について詳しく見ていきましょう。

金の買取価値が下がる原因

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金の買取価値は、世界の経済状況や政治情勢、為替の動きや金利など、さまざまな要因によって日々変動します。一般的には安全資産として知られる金ですが、特定の状況下では価格が下落することもあり、注意が必要です。

ここでは、金価格を押し下げる主な要因をわかりやすく解説し、価格変動の背景や影響を理解するための基本的なポイントについても整理しています。

金の供給量の増加


金の買取価格は需要と供給のバランスによって決まるため、供給量が増加すると価格下落の要因となります。新しい金鉱山の発見や採掘技術の向上により、市場に流通する金の量が増えると、希少価値が薄れて価格は下がる傾向です。

さらに中央銀行による金の売却も供給増加の要因となり、各国の中央銀行が保有する金を市場に放出すると一時的に供給過多となり価格下落圧力が生じることもあるのです。

米ドルの価値上昇


米ドルの価値が上がるとアメリカ経済が好調になり、投資家は株や投資信託など、利回りの高い資産に資金を移す傾向が強まります。そのため、配当や利息を生まない金は売られやすく、価格が下がることがあります。

金は国際的に米ドルで取引されるため、ドルが強くなると他の通貨で買える金の量が少なくなり、需要が減って価格は下押しされるのです。

世界情勢の安定


金は有事の金と呼ばれるように、戦争や紛争、テロなどのリスクが高まると買われやすい傾向があります。逆に世界情勢が安定すると安全資産としての金の需要は減り、価格は下がることも少なくありません。

国際関係が改善されると、投資家はリスク回避よりも株式や社債など、高いリターンを狙う方向にシフトします。平和な状況では経済活動が活発になり、企業業績の改善で株価が上がることも多く、結果として金の需要は自然に減り、価格は下押しされやすくなるのです。

金利の上昇

金利が上がると、銀行に預けるだけで利子が増えるため、投資家は金を売って現金や利回りのある資産に資金を移す傾向があります。その結果、金の需要は下がり、価格も下落しやすくなるのです。逆に金利が低いと通貨の価値が下がりやすくなるため、リスクヘッジとして金を保有する需要が増え、価格を支える要因になります。金利と金価格は逆の動きをすることが多いのです。原油と金の価格はリンクする

原油と金の価格は連動する傾向があり、原油価格が下がると金の価格も影響を受けて下落しやすくなります。逆に原油価格が上昇するのは、戦争や経済不安などで供給量が減る懸念があるときです。

こうした状況では、安全資産としての金の価値も高まり、投資家にとって重要な避難先となるケースが多く見られます。

2000年以降の金買取価格は上昇

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2000年以降、金の買取価格は長期的に上昇傾向を示し、多くの投資家や資産運用者の注目を集めています。2000年には1gあたり平均1,014円で取引されていた金が、2023年には1g平均8,834円にまで上昇しました。金の買取価格上昇の背景には、世界的な経済不安やインフレ懸念、地政学的リスクの高まりがあり、特にリーマンショックや東日本大震災、ウクライナ情勢などの世界情勢や大規模な災害も価格上昇の要因となっています。

こうした不安定な状況では、金は安全資産として需要が増えやすく、価値が押し上げられます。価格の上昇は売却のタイミングにも影響するため、投資や買取を考える際は慎重に判断することが必要です。

今後の金価格予想

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金の価値は、経済情勢やドルの価値・原油価格・金利など様々な要因で変動します。現在は金の価格が上昇しやすい条件が揃っていますが、株価の上昇や金利の見直しによって、一時的に下がる可能性もあるでしょう。

しかし、金は有限で工業用途や宝飾品としての需要も高く、価値が失われることはありません。短期的な価格予想は難しく、地震やパンデミックなどの有事で変動する可能性もあります。それでも供給量は限りがあり、長期的に価値が保たれやすく、将来的には徐々に上昇すると考えられます。

貴金属買取業歴18年の中島の2025.9.11現在の予想では2025年中に1オンス4,000ドルも充分可能性があると思っています。

金下落時の損しないための対処法

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金の買取価格が下がると不安になるかもしれませんが、落ち着いて対処する方法を知っていれば安心です。金は長期的に価値を保つ傾向があるため、一時的な下落で慌てる必要はありません。

大切なのは、感情に流されず、計画的に判断することです。慌てず相場の変動を理解し、売買のタイミングを見極める意識を持つと、安心して資産を守れるでしょう。

次の章では金の買取価格が下落した時の損しない対処法を3つご紹介します。

投資を分散する


金価格が下がったときの対処法の一つは、投資先を分けることです。金だけでなく、株式・債券・不動産投資信託(REIT)など、いくつかの資産に分けて投資することでリスクを減らせます。金の価格が下がっても、他の資産が上がれば損失を補える可能性があります。

国内だけでなく海外の市場にも分けて投資することで、特定の国や地域の経済の影響を和らげられるのでおすすめです。投資割合は自分のリスク許容度に合わせ、定期的に見直すようにしましょう。

長期にわたり投資する


金の投資は長期の視点が大切です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、10年以上のスパンで続けることで金の価値を活かせます。歴史的に見ても金の買取価格は、長期の投資で上昇する傾向があります。採掘量には限りがあり、スマホや医療機器などの工業用途でも需要は高く、ジュエリーとしての人気も衰えません。

金の買取価格は、世界情勢や経済の動きに左右されやすいため、日々のニュースや国際情勢をチェックしつつ、計画的に投資を行うようにしましょう。短期的な下落があっても慌てず、長期的な資産形成の視点を忘れないことが大切です。

おすすめとしては田中貴金属の純金積み立てや証券会社で金のETFを毎月一定金額積み立てすることです。

ドルコスト平均法と呼ばれる昔からある買い方で極めて効率の良い買い方です。

慌てて売りに出さない


金の買取価格が下がったときに避けたいのは、慌てて売ってしまうことです。感情で判断すると大きな損失が出てしまう可能性があります。市場は常に変動しており、下落のあとに回復することも珍しくありません。冷静に行動するには、事前に売却の目安や投資の目的を決めておくことが大切です。

資産保全やインフレ対策など、金投資の目的を意識することで短期的な価格変動に左右されにくくなります。専門家の意見や投資仲間との情報交換も、判断を落ち着かせる上で有効です。

金買取価格の下落時は購入のチャンス

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金の買取価格が下がったときは、実は投資のチャンスです。金は長期的に価値を保つ性質があるため、一時的な価格の下落は将来の利益につながるタイミングと考えられます。たとえば、2008年のリーマンショックや最近のコロナ禍でも、金価格は大きく上昇しました。こうした時期は、安く買って高く売るという投資の基本を実践できる絶好の機会です。

ただし、購入する際は短期的な変動に振り回されず、中長期的な視点で考えることが大切です。自分の資産状況に合わせて、無理のない範囲で投資することを忘れないようにしましょう。

まとめ

金の買取価格は、経済や世界情勢・金利・ドルの価値・原油価格など、さまざまな影響を受けて変動します。短期間で下がるリスクもありますが、金は有限で、ジュエリーや電子機器などでも需要が高く、長期的には価値を保ちやすい資産です。価格が下がったときに慌てて売る必要はなく、長い目で資産を守ることが大切です。

ニュースや国際情勢をチェックしつつ計画的に投資すれば、安心して金の買取や投資を行えます。下落時は安く買えるチャンスと考え、無理のない範囲で資産形成を進めましょう。

執筆者プロフィール

店長 河本 明
店長 河本 明
店長 河本 明
買取業界歴15年以上。
買取の得意分野:ブランド品、ジュエリー、時計
ジュエリーコーディネーター ウォッチコーディネーターの資格を保有しております。